ASDの仕事選び(理想と現実)

ASDの人が持つ障害と呼ばれる特性は少し見方を変えるとユニークな武器となります。そして武器になり得る特性は

  • こだわりが強い
  • まじめにコツコツと仕事をする
  • 素直である

でした。なぜ、これらの特性が武器になるのかはこちらをご覧ください。

もはや障害ではない!〜ASDの長所〜 もはや障害ではない!〜ASDの長所〜

そして、これらの特性を生かせる仕事は

  • 好きなことをトコトン極めていくスペシャリスト
  • 変化が少ないマニュアル化されたルーティン作業

が挙げられます。

また、ネガティブな方向から見るとASDの人が苦手とするコミュニケーションを極力必要としないことから一人でできる仕事も向いています。
さらに、デジタル脳(0か1かで物事を捉える)を生かせる論理的な仕事も適しています。
以上をまとめてみます。

  • スペシャリスト(専門的な仕事)
  • マニュアル化された定型業務
  • 一人でできる仕事
  • 論理的な仕事

これらの特徴を持つ仕事が向いていると言えます。

では、具体的にどのような仕事があるのかを見ていきましょう。

スペシャリスト(専門的な仕事)

  • プログラマー
  • 研究職
  • デザイナー
  • 音楽家
  • 職人

主に理系職や芸術的な仕事になります。
時間をかけてスキルや知識を身につけ、それを売りこみます。
音楽家など才能が求められるものもあります。

定型業務

  • 事務員
  • 倉庫内作業

業務内容がマニュアル化されていて、一度覚えてしまえば同じことの繰り返しですので、急な変化が少なくやりやすいです。

一人でできる仕事

  • 新聞配達
  • 清掃員
  • フリーランス
  • ブロガー
  • YouTuber

新聞配達や清掃の仕事は昔からあり、今後も必要とされる仕事であるので需要があります。
また、一人で黙々と作業できるので、コミュニケーションをあまり必要としません。(かなり重要ですね)
しかし体力的にはキツイ仕事です。(その分待遇も良いですが)



ブロガーやYouTuberは言わずも知れたまさにネットと言う現代社会の恩恵に預かった仕事ですよね。
外に出ず、パソコン一つで仕事ができる環境が整っている点は現代の最大の利点だと思ってます。
現代社会で生きにくいASDの人でもネットにはかなり救われていると思います。
現代の科学を利用したブロガーやYouTuberは比較的新しい職業です。
また、一昔前までは初期投資が高額であるなどから、フリーランスになることへのリスクが大きかったと思います。
しかし、ランサーズ、クラウドソーシングなどフリーランスになるための案件をネットのおかげで受注しやすくなり、フリーランスになることのハードルが下がったと思います。
ネットさまさまです(笑)

論理的な仕事

  • 経理
  • 統計

数字を扱う仕事で、デジタル脳を持つASDの人にとっては得意な分野だと言えます。


今見てきた仕事は確かにあらゆる仕事の中でASDの人に向いている分野です。
本当にそう思います!

ところが

紹介しておいて何ですが、ちょっと現実的なお話をさせてください。

ここまで書いてきた情報は発達障害関係の本やサイトに溢れんばかりに載っています。
しかし、どれも理想論ばかりで現実に触れていません。

上で挙げたような仕事は完全にASDの人にとってウハウハな仕事かと言えば、そうでもありません。これらの仕事にも厳しいリアルが待ち受けてます。

ここからは浅くてショボいですが、僕の経験を交えてリアルに少し触れてみます。

僕の経験から見る現実

僕は学生時代にどのような仕事ならずっと続けられるのかを真剣に考えていました。
そして、色々と情報を集めている内にこの記事で紹介したような仕事に向いていることを知りました。
しかし、あくまで向いているかもと思われる漠然とした例を挙げられただけで、リアルを知りませんでした。
そこで、生身で実情を知るために、以下の経験をしてきました。

  • amazonでの倉庫バイト
  • 新聞配達のバイト
  • 大学での研究
  • 事務職(現在進行形)

以上の経験からそれぞれのリアルをある程度体感することができました。
次に体験から感じたことを書いてみます。


amazonでの倉庫バイト

業務内容は面白かったですが、体力面と雇用面で長期的に仕事をするのは大変だと感じました。
仕事内容は梱包などのパッキングや膨大な棚から商品を選んでくるピッキングでした。単純作業のルーティンで仕事自体は覚えやすく楽しかったですが、1週間もすると、すぐに飽きが出てきました。
また、同じ体勢で同じ作業をぶっつけ2時間くらいしていたので、腰や手の負担が大きかったです。
完全な倉庫での作業だったので、外の空気が入りづらく人によっては嫌な作業環境かもしれません。(僕には合ってましたが)
あんなに劣悪な環境ではありませんが、カイジの地下王国に似たものがありました。(笑)
また、僕は派遣として働いていました。
そして、僕だけではなく周りの多くも雇用形態は派遣でした。
そのため、安定して仕事が得られるかと言われればそうでもないと思うので、雇用面でも長期的に働くことへの不安が考えられます。


新聞配達のバイト

配達は一人で黙々とできるため、対人面でのストレスはほとんどありませんでした。また、業務内容も配達に限れば、配達する新聞にチラシを折り込み、後はひたすら配るという単純な作業だったので、覚えやすかったです。そして、僕は朝刊を配っていたのですが、真っ暗で静かな上に、人も全くいないという状況は異世界にいるような特別な感覚でワクワクしました。さらに、手当面でも新聞配達は個室寮の提供や、引越し費用の全額負担など手当が厚いです。以上を踏まえて新聞配達はASDの人に向いている仕事だと思います。しかし、そんな新聞配達にも見えた問題がありました。

  • 集金、営業をしなければならない
  • 体力的にきつい
  • 天気に作用される

配達のみで生計を立てようとすると、かなりギリギリであるため、必然的に集金や営業をしなければなりません。そうなると、ASDの苦手とするコミュニケーションが生じてしまいます。また、配達の他に集金や営業を入れると休む時間が不規則になるため、健康上良くありません。長期的に働くためには疲れた体を休ませなければなりませんが、それが難しくなります。さらに、個室寮の提供の条件として配達と集金を行うという条件を課している事業者も多いので、応募する際は注意が必要です。配達はバイクや自転車を使って行うのですが、意外と歩くことが多いので体力を使います。若いうちは良いのですが、歳をとっても仕事で消費する体力は同じなので将来的に体力低下の問題があります。また、新聞配達は台風でも雪の日でも熱帯夜でも行わなければなりません。このような悪天候の日だと配達の難易度が大幅に上がります。メリットデメリットともに大きい新聞配達ですが、個人的にはASDに合っている仕事だと思います。むしろASDだけでなく引きこもりにも合っている仕事だと思います。僕も引きこもっていた時期がありましたが、新聞配達のおかげで社会復帰できました。深夜は人が少ない時間なので、ハードルが低くなります。さらに、新聞配達を通じて社会と関わることで自信がつきます。社会復帰の第一歩として朝刊配達はかなりおすすめです。


研究

実験が好きだったので、学生時代は研究者になることが夢でした。実際に、大学の研究室に所属すると自分専用のスペースが与えられ、黙々と実験をすることができて面白かったです。しかし、実験を始めてから3ヶ月ほど経つと次第に違和感を感じるようになりました。さらに日が経つにつれて違和感が明確化し始めました。違和感の原因は研究室内の人間関係でした。研究室はかなり閉鎖的な空間なため、上下関係や人間関係がドロドロしてます。狭い空間に同じ人と一日中、年がら年中一緒にいなければならないので、当然嫌な部分が見えてきます。また、教授は教育者ではなく研究者なので、人格がおかしい人が多いです。研究室とはこのように閉鎖的で、嫌な空間です。本来好きだった研究も人間関係が原因で日に日に嫌なものに変わっていきました。さらに、研究の世界は狭いため、就職しても同じようなストレスが続きそうであったことから研究者への道を諦めました。研究者を目指すなら、周りに目が向かないくらい研究に対して専念できる根性と周りをある程度うまくやる人間力が必要だと感じました。


事務職

僕は現在事務職の仕事をしています。もともと書類作成が好きだったので仕事は楽しいです。また、事務作業は一人で黙々とパソコンに向かって作業できるので、コミュニケーションが苦手な僕でもなんとかなっています。しかし、仕事内容は書類作成だけではなくイベントの企画・準備などコミュニケーションを要するものもあります。さらに一度の複数の仕事をこなさなければならない場合が多くマルチタスクが求められます。この点はASD傾向の僕にとっては向いてないと常々に感じています。ただ、仕事はある程度マニュアル化されており、一度慣れてしまえば問題ないかなと思っています。慣れるまでは大変ですが、一度仕事を覚えてしまえばASDの人には向いている職業だと思います。


最後に

僕が経験して感じたことを書いてみました。しかし、あくまで僕個人の意見なので人それぞれで感じ方は異なると思います。ですので、まず短期でも良いので上で挙げたものも含めてやりたいこと・やれそうなことにどんどんチャレンジして適職を見つけるのが一番良いと思います。

(補足)僕が思うASDの最大の適職

これもあくまで僕個人の考えなのですが、僕の仕事選びで譲れない点は「自由」であり、「ストレスが少ない」ことです。
そして、この二つを侵すのはいつも人間関係が原因であることが多いです。
誰かのペースに合わせ、誰かと一定の良好関係を維持することは僕にとっては最大の壁です。何度も改善しようと試みてきましたが、やっぱり難しいです。
そして、人間関係でつまづくことはASDの人の多くが悩むことだと思います。
そこで、僕が思うASDの人にとって最大の適職はフリーランスだと思ってます。
組織に所属せず、自由に生きることでASDの障害が目立たなくなります。
また、フリーランスの案件は技術が求められることが多いと思うので、技術力を磨きやすいASDの人にとっては戦いやすい分野だと考えています。
ちなみに僕は今スキマ時間を利用してプログラミングを猛勉強しています。
プログラミングはフリーランスの案件数も多く、何よりも場所を選ばずに働けることに魅力を感じています。
技術力は最下層でまだまだ努力が必要ですが、将来へのリスクヘッジとして頑張っています。

※参考にした本

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